海外旅行

ドバイ移住のメリットと意外なリスク|税金ゼロの裏にある「水・食料・地政学」問題

こんにちは、じゃっかんあるつです。

最近、日本でも「ドバイに移住したい!」という話をちらほら聞きます。

・所得税ゼロ
・国際都市
・ビジネス環境が良い

たしかに魅力はいっぱい。
実際、世界中の富裕層や起業家がドバイに集まっているのも納得です。

ただ、移住を考えるならメリットだけじゃなく、
都市の構造やリスクも知っておくと後悔が少ないです。
というわけで、今日はあまり語られない視点も含めて整理してみます。

ドバイ移住のメリット

まずは、よく言われるメリットから。

税金が低いこと。

UAEには基本的に

・所得税
・キャピタルゲイン税(株式や不動産などの売却益)

がありません。

そのため

「日本の税制から離れて資産を守りたい」

という理由で移住する人も多いです。

さらに地理的にもかなり便利な場所にあります。

・中東
・ヨーロッパ
・アフリカ
・アジア

このあたりのちょうど中間地点にあるので、
国際ビジネスの拠点としても使いやすい都市です。

実際、航空路線を見ても世界中とつながっています。

ただし水はほぼ「人工的に作っている」

ただし、ドバイを含む湾岸諸国には構造的な弱点があります。

それが水です。

この地域は砂漠なので、自然の淡水資源がほとんどありません。

そのため飲料水の多くを
海水淡水化プラントに頼っています。

例えば

・クウェート:飲料水の約90%
・カタール:約99%

が海水淡水化です。

UAEも似たような状況で、生活で使う水の多くは海水から作られています。

つまりどういうことかというと、

水=エネルギーインフラ

という構造なんですね。

実際、サウジアラビアでは
淡水化のためだけに日量30万バレルの石油を使っています。

さらに湾岸諸国全体では、
400以上の海水淡水化プラントがあると言われています。

もしこれらが止まればどうなるか。

水が止まる。
そして空調も止まる。

そうなると、この地域では生活そのものがかなり厳しくなると言われています。

専門家の中には

「空調と海水淡水化がなければ、この地域は本質的に居住が難しい」

と言う人もいます。

ちょっと極端ですが、砂漠の都市の構造を考えると、言いたいことはわかります。

実際にインフラへの被害も起きている

最近の中東情勢では、実際にインフラへの被害も報じられています。

例えば

・UAEのフジャイラ発電・淡水化プラント
・クウェートの淡水化施設

などです。

さらに報道によると、

ドバイのジュベルアリ港への攻撃着弾点が
淡水化施設から約20km

という話もありました。

また2008年にリークした米外交公電では

「ジュベイルの淡水化プラントが損壊すれば
リヤドは1週間以内に避難が必要」

という警告もあったそうです。

水というのは、思っている以上に都市の生命線なのかもしれません。

食料もほとんど輸入

もう一つよく言われるのが食料問題です。

湾岸諸国は

食料の80〜90%を輸入

しています。

これも砂漠の国なので、ある意味当然ではあります。

そしてその多くが通るのが

ホルムズ海峡

です。

この海峡は世界の物流でもかなり重要なルートで、

・世界海上貿易の約11%
・肥料の33%
・パーム油の20%

がここを通っています。

もしこのルートが不安定になると、
当然ですが食料供給にも影響が出ます。

例えば最近では、

ドバイにある世界最大級の港湾精糖所が原料供給を遮断されたという話もありました。

またカタールでは

・尿素
・アンモニア

といった肥料の生産が停止しています。

カタールは

世界の尿素輸出の約11%

を占める国です。

しかもその多くがホルムズ海峡を通って輸出されています。

つまりこれは中東だけの話ではなく、
世界の農業や食料価格にも影響する問題だったりします。

実際に人的被害も出ている

さらに、最近の衝突では人的被害も報じられています。

2月末以降の報道では

・UAE:死亡3名、負傷78名
・クウェート:少女1名死亡
・カタール:負傷16名
・オマーン:負傷5名
・バーレーン:負傷4名

などです。

犠牲者には

・パキスタン
・ネパール
・バングラデシュ

といった外国人労働者も多く含まれていました。

湾岸の都市は、こうした移住労働者によって支えられている部分も大きいです。

また一部の報道では、
ドバイ国際空港で避難措置が取られたというニュースもありました。

もしエネルギーが止まったら

湾岸諸国では

・水
・食料
・空調

こうしたものの多くがエネルギーインフラに依存しています。

もしエネルギー供給が長く止まれば、

砂漠の酷暑の中で
生活環境そのものが厳しくなると言われています。

石油価格やLNGのニュースはよく見ますが、
その裏側にはこういう都市の構造もあります。

まとめ:ドバイは魅力的だけど、構造も知っておこう

ドバイは間違いなく魅力的です。

・税制
・ビジネス環境
・国際都市

トップクラスなのは間違いなし。

ただ、この都市は巨大なエネルギーインフラの上に成り立っている
ということも忘れちゃいけません。

・水も、
・食料も、
・空調も、

ぜんぶ高度なサプライチェーンに依存しています。

移住を考えるなら

「税金が安いから」だけで飛びつくのではなく、
都市の構造やリスクも少し頭に入れておく

のが大事です。

それを知っておくと、海外移住の後悔もぐっと減ると思います。

ABOUT ME
じゃっかんあるつ
はじめまして。じゃっかんあるつです。 旅にまつわるあれこれのおせっかいを焼いています。 「痒いところに手が届く」をモットーに書いていますので、少しでも参考にしてもらえたら嬉しいです。