こんにちは!じゃっかんあるつ(@cosmicalz)です。
今年の10月に、スペインがどうやらデジタルノマドビザを始めるらしい
という記事を書いたのですが

ついに本格スタートしました!
スペインのデジタルノマドビザは、2022年12月に承認されており、
正式に運用がスタートしたのは、2025年6月10日です
※2023年2月3日に公開した記事ですが、リライト記事に必要な文言等を追記、その他の部分も修正して2025年9月5日に再度公開しました。
目次
スペインのデジタルノマドビザはいつから?
当初、「2023年1月に申請可能になる」という話もありましたが、
申請は実際には2025年6月10日以降可能になっています
スペインのデジタルノマドビザの概要
スペインのデジタルノマドビザは、EU圏外のリモートワーカーやフリーランサーを対象にした長期滞在ビザです。
観光ビザのように短期間で出国する必要がなく、安定してスペインに住みながら働けるのが大きな魅力です。
【有効期間】
初回は最長1年間。その後は更新可能で、最長5年間まで延長できます。
【居住条件】
1年のうち183日以上スペインに滞在していれば居住者とみなされ、シェンゲン圏(EUの多くの国)を自由に移動できる居住カードの取得も可能です。
【労働条件】
申請者はスペイン国外の企業でリモートワークを行うのが前提。
ただし、収入の最大20%まではスペイン企業からの仕事も認められています。
【対象となる働き方】
フリーランサー(複数クライアントを持つ個人事業主)
リモートワーカー(スペイン国外の単一企業に雇用されている人)
【税制上の優遇措置】
特定条件を満たすと「Beckham Law」が適用され、年収60万ユーロ未満であれば**最初の数年間は軽減税率(24%前後)**が適用されます。
こうした基本の「枠組み」の上に、実際の申請ではさまざまな要件が設定されています。
次に、申請時に満たすべき条件(要件)を具体的に整理してみましょう。
スペインのデジタルノマドビザの要件は?
ビザを申請するには、いくつかの条件を満たす必要があります。
大きく分けると 「働き方」「収入」「経歴」「法的要件」 の4つです。
働き方に関する要件
・スペイン国外の企業に雇用されている、または契約していること
・契約先企業は設立から1年以上経過し、実際に事業を行っていること
・雇用契約またはフリーランス契約が少なくとも3か月以上継続していること
・フリーランサーの場合、スペイン国内の仕事は総収入の20%以内
収入に関する要件
・月額 2,763ユーロ以上の安定収入が必要(約480,000円/ 2025.9現在)
・扶養家族を伴う場合は追加要件あり
配偶者・パートナー:+75%
子どもや追加の扶養家族:1人あたり+25%
経歴に関する要件
・大学・大学院・専門学校の学位、または3年以上の実務経験があること
・リモートワークに必要なスキルや資格を証明できること
法的要件
・申請前5年間、スペインまたは他国での犯罪歴がないこと
・公的または民間の健康保険に加入していること
・パスポートの有効期限が1年以上残っていること
家族も一緒に申請できる?
このビザは、配偶者や子どもなど家族も一緒に滞在できるのが特徴です。
対象となる家族
・配偶者または事実婚パートナー
・扶養されている子ども
・扶養が必要な親や祖父母など
収入要件の追加例
・申請者+配偶者:月額 約3,797ユーロ が必要
・さらに子ども1人を加えると +25%(約690ユーロ)
家族での移住を考えている場合は、この「追加収入条件」を事前にクリアできるかどうかがポイントになります。
スペインのデジタルノマドビザの必要書類は?
必要書類は大使館や領事館によって多少異なりますが、基本的には以下の通りです。
・パスポート(有効期限1年以上)
・申請書類・写真・手数料(約80ユーロ)
・収入証明(銀行明細、給与明細、契約書など)
・学歴や実務経験の証明書(学位証明、推薦状など)
・雇用証明書またはフリーランス契約書
・契約先企業の登記証明(1年以上の実績あり)
・無犯罪証明書(アポスティーユ付き、スペイン語翻訳が必要な場合あり)
・健康保険加入証明書
・スペイン滞在先住所の証明(賃貸契約などを求められるケースもあり)
書類はスペイン語翻訳や認証が必要になるケースが多いので、準備には時間をかけるのがおすすめです。
スペインのデジタルノマドビザの申請方法
申請のルートは2通りあります。
①自国のスペイン大使館や領事館で申請する方法
・渡航前にしっかり準備できるので安心
・ただし審査に時間がかかることがある
②観光ビザでスペインに入国後、90日以内に現地で申請する方法
・現地に住みながら手続きできる
・ただし書類不足があると滞在中に手続きが滞るリスクも
どちらの場合も、必要書類の不備で申請が止まるケースが多いので、準備段階から専門家や翻訳サービスを利用する人も少なくありません。
税制上のメリット
スペインのデジタルノマドビザには、税制優遇が用意されています。
・年間183日以上スペインに滞在する人は、税務上の居住者として扱われる
・ただし「Beckham Law」によって、年収60万ユーロ未満であれば最初の数年間は24%の一律課税
・通常の累進課税(最大47%)よりも大幅に軽減されるため、かなり有利
また、ビザ取得者はシェンゲン圏内を自由に移動可能なので、ヨーロッパ各国を拠点に活動したい人には大きなメリットになります。
まとめ
スペインのデジタルノマドビザは、ただの長期滞在許可ではなく、
「安定した仕事を持ちながら、自分のライフスタイルに合わせてヨーロッパに住む」ための新しい選択肢です。
・最長5年間の滞在が可能
・税制優遇が受けられるチャンスもある
・シェンゲン圏を自由に移動できる
もちろん、収入や契約、健康保険などクリアすべき要件はありますが、
それを満たせる人にとっては大きなチャンスです。
太陽の降り注ぐ地中海沿いの街、歴史と文化が息づく都市、
山や海の自然に囲まれた地方。
どこを拠点にしても、スペインならではの豊かさを味わいながら働くことができます。
「働きながら、自分らしく暮らす」
その可能性をぐっと広げてくれるのが、スペインのデジタルノマドビザです。